●無料会員登録を回避する「BugMeNot」は倫理的に是か非か?
無料で読める情報が増えたとはいえ、例えばNYタイムズなどでは世帯収入、国籍、年齢などを入力して無料の会員登録をしなければならない。特に海外の新聞社では無料会員登録制のサイトはますます増えている。これはプライバシーの侵害になると言えるのだろうか。ある人々はそう考えてこんなサイトを利用している。
[BugMeNot]
http://www.bugmenot.com/
BugMeNotでは会員登録制のサイトで自由に利用できるユーザー名とパスワードを一般に公開している。この情報を使えば例えばNYタイムズでも自分の個人情報を入力しなくても、他人の情報でログインしてコンテンツを読める。こうして自分のプライバシーを保護しようと言うのだ。
BugMeNotのこの方法では一部問題が生じている。例えば有料コンテンツを提供しているサイトの場合は一種の「窃盗」になってしまうことが指摘されている。これは深刻な問題だ。
もっと根源的な問題となるのは、BugMeNotみたいな方法が普及すれば、企業は読者の役に立つ適切な広告を表示できなくなり、結果としてコンテンツ企業の経営が傾き、われわれもまた良質のコンテンツを無料で読めなくなる、という大きな問題だ。
しかしここで問題が生じる。それではFirefoxやGoogle Toolbarなどが提供しているポップアップブロッカーはBugMeNotと同じ程度倫理的に問題があるのではなかろうか。ポップアップ広告もコンテンツ企業の重要な広告収入減となっているのであり、それを勝手に抑止することはよくないのではないか、と考えることも出来る。
一見、BugMeNotの手法は怪しげに見えるが、倫理的に是か非か、を考えるとき、実はそんなに単純、簡単な問題ではないことも見えてくる。プライバシーと広告の問題は難しい!!
結局のところ、BugMeNotのようなサイトを繁栄させたのは大手新聞社があまりにも多くの個人情報を収集し過ぎたためではないだろうか。私もやはり抵抗がある。その点、日本で人気を集め始めている「Gyao」などはほとんど情報を集めていない。郵便番号や年齢層が分かる程度の質問だったらプライバシー侵害を気にせずに答えてもいいと思う人は多いと思う。こういうノウハウは今後ますます重要になってくるだろう。

